音程を学ぶ

音程とは
音程(インターバル)とは、二つの音の間隔や距離を表す言葉です。
音程を学ぶことで、コードの種類や構成音(コードトーン)を理解することができるようになります。
コードの種類や構成音を理解することができると以下のようなことが可能になります。
- どのようなコードでも、自分でコードを構成している音を導き出せるようになる
- 数あるコード進行の法則を理解できるようになる
例えば、以下のようなコード表を参照せずとも、全てのコードを自力で簡単に導き出せるようになります。
上記のような理由から、音程は作曲を理解する上で必須となる技術になります。
メジャースケールを基礎として音程を理解する
音程もメジャースケールを基礎にして理解していきます。まずは、以下の音程を覚えましょう。


- ド → ド(完全1度)
- ド → レ(長2度)全音1個
- ド → ミ(長3度)全音2個
- ド → ファ(完全4度)全音2個 + 半音1個
- ド → ソ(完全5度)全音3個 + 半音1個
- ド → ラ(長6度)全音4個 + 半音1個
- ド → シ(長7度)全音5個 + 半音1個
- ド → ド(完全8度)全音5個 + 半音2個
※ メジャースケールについては『長音階を学ぶ』で学ぶことが可能です。
度数を数える方法と「完全・短・長・減・増」などの修飾子について
先程の図を見てみると、「1度, 2度, 3度, 4度, 5度, 6度, 7度, 8度」という度数の部分と「完全・長」などの音の響きを表す修飾子の部分で音程表記が成り立っていることがわかるかと思います。
では、どのような法則で度数や修飾子が導き出されているのかをこれから見ていきましょう。
度数の法則
度数の数え方はとても単純で簡単です。まず、スケール上の音の中から始まりの音と目的の音の2音を決めます、そして始まりの音(根音)から目的の音まで、音が何個あるかを数えれば良いだけだからです。
例えば、始まりの音(根音)を C、目的の音を Bとして度数を導き出すと「CDEFGABの7つ」なので度数は7度です
※ 根音(ルート)とは音程間隔を表すときの始まりの部分となる音のことを言います。
修飾子の法則
まず、修飾子の種類はメジャースケールを基にして出来上がった完全音程と長音程があります。
完全音程と長音程
完全音程
- 完全1度
- 完全4度(全音2個・半音1個)
- 完全5度(全音3個・半音1個)
- 完全8度(全音5個・半音2個)
長音程
- 長2度(全音1個)
- 長3度(全音2個)
- 長6度(全音4個・半音1個)
- 長7度(全音5個・半音1個)
短音程・増音程・減音程・重増音程・重減音程
その他にも短・増・減・重増・重減という修飾子があります
短音程
短音程は長音程が半音狭まった音程です
ド → ミ(長3度)の音程を半音狭めると
ド → ミb(短3度)の音程になります
増音程
増音程は長音程・完全音程が半音広まった音程です
ド → レ(長2度)の音程を半音広めると
ド → レ♯(増2度)の音程になります
ド → ファ(完全4度)の音程を半音広めると
ド → ファ♯(増4度)の音程になります
減音程
減音程は短音程・完全音程が半音狭まった音程です
ド → ミ♭(短3度)の音程を半音狭めると
ド → ミ♭♭(減3度)の音程になります
ド → ソ(完全5度)の音程を半音狭めると
ド → ソ♭(減5度)の音程になります
重増音程
重増音程は増音程が半音広まった音程です
ド → ファ♯(増4度)の音程を半音広めると
ド → ファ♯♯(重増4度)の音程になります
重減音程
重減音程は減音程が半音狭まった音程です
ド → ソ♭(減5度)の音程を半音狭めると
ド → ソ♭♭(重減5度)の音程になります
ド → ミ♭♭(減3度)の音程を半音狭めると
ド → ミ♭♭♭(重減3度)の音程になります
上述の法則を図で表すと以下のようになります。


上図で示されるように、各音程には英語読みがあります。そして、修飾子にはそれぞれ英語読みに基づいた略記があります。
- 完全(Perfect)= P
- 長(Major)= M
- 短(Minor)= m
- 増(Augment)= aug
- 減(Diminish)= dim
この略記はコードの構成音を表すときによく使います。
CM7 の構成音は P1, M3, P5, M7 です
Cm7 の構成音は P1, m3, P5, m7 です
Cm7b5 の構成音は P1, m3, dim5, m7 です
Cm7+5 の構成音は P1, m3, aug5, m7 です
度数と修飾子を用いて、2音間の音程を把握する。
では実際に、2つの音の音程を調べてみましょう。
音程を調べる手順
手順は主に3段階で構成されています。レ → ラ の音程を例にとって調べてみましょう。
- まず度数を導き出す
レ → ラ(5度) - 全音と半音の数を確認して、音程を導き出す
全音3個と半音1個の5度は完全5度です。
つまり、レ → ラは完全5度です
ソ → ド# の音程を導き出します。
# (変化記号)が入っている場合は少し手順が変わり4段階の手順となります。
- シャープ(変化記号)を取る
- 度数を導き出す
→(ソラシド)4度 - 全音と半音の数を確認して、音程を導き出す
→ 全音2個と半音1個の4度は完全4度です - 導き出した度数に変化記号の分の間隔を付け足す
→ 完全4度の音程をシャープ分広くすると、増4度です - つまり、ソ → ド# の音程は増4度です
複音程について
複音程とはオクターブを超える音程のことです。
オクターブを超える音程を簡単に導き出す手順を下記に示します。
(例)例えばこのような複音程の場合


1、このように短音程にする。


2、それから、短音程の度数を導き出す
この場合は短2度
3、それに、オクターブ分の7度を足す
短2度 + 7度 = 短9度
※ オクターブについては『長音階を学ぶ > 4. 長音階』に解説があります。
まとめ
この記事で達成したことは大きく分けて 5つのことです。
- 音程とは、2音間の距離のことであることを理解した。
- 音程はコードを理解するときの必須知識であることを理解した。
- 度数と修飾子を理解するためには長音階のドから各音間の音程間隔(最初の図)を理解することが必要だと理解した。
- 度数の数え方を理解した。
- 音の響きを表す修飾子の導き出し方を理解した。
もし、達成できてないことがあったら、学び直してみましょう!